斉藤実の休息

読んだ本の感想や出かけた場所、作ったものなど、自分が楽しいことを書きます。

インドカレーで命の洗濯

以前から気になっていた近所のインドカレー屋さんで食事をしました。

食べログやグーグル検索の口コミではそこそこ評判も良く、ランチも中々お得な値段で、ナンのお替りは自由。数年前に開店して以来、地元から愛されているお店のようです。

 

週末の昼間でも店内は程よく空いており、お客は私と、親子連れと、職場の先輩後輩と思しき女性たちの3組でした。私の経験では、インド料理店ではよく店内のテレビでインド映画を流していることが多いのですが、このお店では普通に日本の通販番組が流れていて、実家のような安心感がありました。

 

今回は一番安いランチメニューセットの中から、ほうれん草カレーのセットを注文しました。カレー1種とナンとライス、サラダとソフトドリンクのオーソドックスな内容で、チキンティッカも気になりましたが、このセットだけで十分お腹いっぱいになれました。ランチメニューの種類は豊富で、チキンティッカ込みのセットもありましたが、量の心配があったので今回は様子見でオーソドックスなセットにしました。カレーの辛さは結構強めのお店で、辛党の私としてはまた行きたいお店のリストに入りました。

 

食事中は、聞こえてくる店内の他のお客さんの会話に耳を傾けていました。こういう話の中には愚痴ばかりで気が滅入ってくるパターンもあるのですが、今回はすごく平和で和やかなものだったので、ほっこりとした時間を過ごすことができました。

 

まずお母さんとジャージを着た学生さん。「後でドラッグストア行かなきゃ」などとりとめのない生活の話もしているのですが、印象的だったのは親子共にとにかく沢山食べることでした。日常話以上に常に「お替りいる?」の確認を欠かさず、10分に1回はナンか飲み物のお替りをオーダー。親子とも比較的小柄に見えるのですが、あの体のどこにそれだけのスペースがあるのか。そして、いっぱい食べるお子さんを見るお母さんがすごく優しい雰囲気をしていました。私は彼女らと何の関係もありませんが、お子さんが健康に幸せに成長していってほしいと思いました。

 

次に職場の先輩後輩たちは、互いにぎこちない敬語を使いながら推しのK-POPアイドルについて熱く語っていました。私が入店した時点で食事はもう済んでいた様子ですが、それぞれの推し語りと布教で盛り上がってなかなか話が終わらないようでした。私はK-POPに関心は無いのですが、彼女たちの語る各ユニットの完成度の高さや肌のきれいさ、日本人メンバーの活躍や、YouTubeでの情報収集や公式グッズ、運営の対応に関する批評などを聞いていると、彼女たちがとにかく推しに対して真剣に向き合い、愛を持って応援していることが伝わってきました。そして、推しに対する愛情以上に私が惹かれた彼女たちの特徴は、もちろん職場の人間関係もあるのでしょうが、互いの推しや思想についてマウントを取ったり否定するといったネガティブな雰囲気が全く無かったことでした。互いの趣味へのリスペクトがとてもナチュラルにできているのです。そして時計を確認した彼女たちはそれぞれの次の予定のため、会計を済ませて街へと繰り出して行きました。

 

こうして私は穏やかな店内とおいしいカレーで命の洗濯を済ませることができ、買い物などしながら幸せいっぱいに帰宅したのでした。