【感想】かいけつゾロリのじごくりょこう
原ゆたかさん著、フリーペーパーで紹介されていたので、手に取りました。ゾロリシリーズは私が小学生の頃、あまり読書をしない子でも読んでいた人気シリーズという記憶があります。見たことは無いですが、確かアニメにもなっていた気がします。
かいけつゾロリのじごくりょこう (32) (かいけつゾロリシリーズ ポプラ社の新・小さな童話)
- 作者: 原ゆたか
- 出版社/メーカー: ポプラ社
- 発売日: 2002/12/01
- メディア: 単行本
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この作品は「かいけつゾロリのてんごくとじごく」の続編にあたりますが、簡単なあらすじが見開きなどにあって、この1冊だけでも楽しく読めるようになっています。
あらすじ
地獄に落とされてしまったゾロリと巻き添えになったイシシとノシシは、閻魔大王と交渉し、生き返るためにゾロリの選んだ7つの地獄の責め苦に挑戦することになります。ゾロリたちは得意のいたずらで地獄の責め苦をクリアしていきますが、いたずらに気付いた閻魔大王は邪魔をします。谷底に落ちかけたところを天使になったゾロリママが助けに来て、閻魔大王のミス(別人を地獄に連れてきた)を指摘し、ゾロリたちは生き返り、冒険は続きます。
個人的な見どころは、終盤にゾロリママがゾロリにかけたメッセ―ジです。地の文とフォントを変えて、吹き出しの中に書かれています。要約すると「あなたのがんばる姿は立派」「あなたが一所懸命生きて、失敗しても悔いのない人生をおくってくれることが、ママにとって一番うれしい」というものですが、言われたいですよね。認められたい、受け入れられたい…。
家族や身近な人が自分を大切に思ってくれているというメッセージは、子どもが人生を歩むうえで大きな自信になると思います。直接言われたことが無くても、こうした本を通して日頃の愛情が言語化されることで、ぼんやり知っていくのも良いことかもしれません。面と向かって伝えることが難しくて困っている方は、読み聞かせという形もありますね。この本を通して、児童書の力や役割のようなものを、改めて知ることができた気がしています。
個人的なツッコミどころ
おやじギャグ地獄が地味にすごい。この地獄ではおやじギャグの寒さで物理的に凍ってしまうわけですが、Fateシリーズを齧った者としては「恐ろしい概念宝具(魔術?スキル?)を見た」という感想を持たずにはいられません。