斉藤実の休息

読んだ本の感想や出かけた場所、作ったものなど、自分が楽しいことを書きます。

【感想】びんぼう神様さま

目次

 

高草洋子さん著、「びんぼう神様さま」を読みました。

びんぼう神様さま

びんぼう神様さま

  • 作者:高草 洋子
  • 出版社/メーカー: 地湧社
  • 発売日: 2000/08/01
  • メディア: 単行本
 

ちょっと息抜き 

たくさんのページを読むのに疲れたので、図書館のティーン向けコーナーの本棚にあった絵本を直感で借りてきました。

私は集中力がないので長編は途中で挫折することが多く、短編や1巻完結ものはありがたいです。

要約

貧乏神はそれまで、自分のせいで人の心や生活が荒んでいくのを楽しむような神でした。

しかし松吉夫婦の家に住むようになってからというもの、自分が神であることに疑問を持つようになりました。

松吉・おとよ夫婦は、貧乏になっても何でもポジティブに解釈して、終いには貧乏神を神棚に祭って拝み始めます。

貧乏神は疑問を解決するため、すべての神を生んだ大神様に会い、「神には善悪なく、上下もない、自分のすべきことをするように」という言葉をかけられます。

この後から「貧乏でも幸せな人間はいる、自分が来てみすぼらしくなった物だって松吉の家を守っている」と貧乏神は考え、神としての自分に誇りを持ち、松吉夫婦を見守ります。

しかし村を飢饉が襲ったある年、ポジティブだった松吉夫婦もいよいよ貧乏神を拝むのをやめてしまいます。

寂しくなった貧乏神の心の隙をつき、松吉夫婦に疫病神が取り付き、夫婦の子どもは病気で死にかけます。

貧乏神は村中の人々の夢枕に立ち、松吉一家を助けるよう働きかけます。

貧乏神のお告げを聞いた村人たちの必死の祈りを薬師様が聞き届け、松吉夫婦の子どもは息を吹き返します。

これ以降、村では各家に貧乏神が祭られることになり、村も松吉夫婦も相変わらず貧乏なままでしたが、幸せに暮らしたということです。

感想

イイハナシダナー

「感謝の心があれば、人も神も幸せになれる」がテーマのお話です。

私も幸せになりたいです。幸せってどんなだっけ、みたいなクサい事を考えてはいますが、結局分かりません。

感謝どころか、めんどくさいとか、自分さえ良ければいいとか、こいつにだけは優しくしてやるもんかとか、そんなのばっかりです。悲しい。

そして、裕福さや心の豊かさと幸せは必ずしも一致しないようです。

作中では福の神が、「人は願いを叶えるほど欲深く、人相も悪くなる」と述べています。

確かに昔より便利で豊かな世の中になっても、汚職も物騒な事件も絶えません。

何気なく借りたつもりが、自分の荒んだ人間性について考えさせられてしまいました。