【感想】絵のない絵本
ハンス・クリスチャン・アンデルセン著、「絵のない絵本」を読みました。
「絵のない」とありますが、少なくとも今回私が読んだものには挿絵が入っています。
そこそこヲタクの私は、HELLSINGのあの神父とか、Fateの子安ボイスショタっ子を連想するわけですが。
この本はそのFateキャラの元ネタである、マッチ売りの少女や人魚姫の作者のアンデルセンの著書です。
日本では童話作家のイメージが先行しがちですが、地元のデンマークでは詩人として有名とのことで、詩集もあれば気になります。
目次
概要
屋根裏に住む若く貧しい画家に、幼馴染の月が、毎晩各地各時代で見たことを話してくれるという内容です。
構成は全部で33夜まであって、1夜が大体4-5ページ+挿絵という感じです。
舞台はヨーロッパや中国など世界各地、登場するのも歴史的な人物・名も無い市民・動物・植物など様々です。
感想
あんなに短いのに、月夜のどこか神秘的な静かさや、人の優しさ、生活感がしっかり伝わってくる、不思議な作品でした。
起承転結のしっかりした夜があるかと思えば、この後どうなってしまうんだろう、と気になっていると、雲が月を隠してしまってそれ以上分からない、という落ちのない夜もあって、何とも言えない不完全燃焼な感じがしたり。
気が付くと半分読み終わってしまうくらい、引き込まれます。
また、創作願望のある人間として、こんなに短くても作品になるんだ、と個人的に励まされる感じもしました。歴史的な作家に対してすごく失礼ですが。